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トップ>コラム一覧> 対談:新しいゆず茶のカタチ – 天空の徳島柚子 –【後編】

対談

新しいゆず茶のカタチ – 天空の徳島柚子 – 
後編 / 天空の恵みを和紅茶に添えて

2022.12.15
紅茶を空に翳す

香料を使用せず、植物本来の自然な香りを楽しめるTEA CREATORシリーズの第二弾「Botanytea– 徳島県産ゆず –」が発売となりました。

この和紅茶に使われている「天空の徳島柚子」の生産者・中村農園の中村博さんと、「Botanytea(ボタニティ―)」を創り出したティークリエイター・秋林健一の対談後編をお届けします。

中村:そもそも、この「Botanytea(ボタニティ―)」でゆずをつくろうと思ったきっかけは何だったのですか?

秋林:柑橘を使ったお茶を作りたくて、テスト感覚でいろいろな素材でお茶を作ってみたんです。私はプライベートでもお茶を作ることが趣味なので、スーパーでレモン、みかん、スダチ、ライム、柚子などを買ってきて試してみました。さらに第一弾の「ベルガモット」と同様に、「農薬を使わない安心な素材を使いたい」という思いから有機品を使うことを念頭に置いていたんです。

お茶を飲む秋林

秋林:「柑橘」「有機」という条件で候補が絞られる中、見つけたのが中村農園さんのホームページでした。興味を持ったので普通のお客さんのようにしれっとネットで購入したところ、求めている品質のゆずが手に入ったので何度か発注しました。試してみてお茶との相性の良さも感じたので大量購入。それから「有機の証明書ありますか?」と要求がエスカレートしていったんですよね。

中村:大量注文があった時に、「この秋林さんという人はこんなにたくさん買って何に使うんだろう?」と不思議に思っていました(笑)。しかも良品ではなく「優品」を注文していたので特に記憶に残っています。

語る中村さんと秋林

秋林:希少な「優品」を選んだのは、見た目も気にしたからです。実際にはカットして使っていますが、ある程度ゴロッとした実にしたかったので見た目のきれいさにもこだわりたかった。中村農園さんでは選別してランク分けをしていたのでなおさら好印象で、コストがかかってもより良いものを、という思いで選びました。

中村:ゆずの収穫時期はだいたい10月下旬〜11月まで。その後は冷蔵庫に保存してほとんどが年内に出荷されてしまいます。秋林さんから注文があったのは12月ですから、旬のうちに使ってもらえてよかったです。試作から完成するまでは順調に進んだのですか?

秋林:ベルガモットと違ってゆずは水分量が多いので、水分を吸収しやすいお茶と合わせる際はベルガモットと勝手が違いました。あとは、薄く柔らかいため皮を剥くのが大変でしたね。

黄色いゆず

中村:使ったのは皮の部分だけですか?

秋林:湿気があるので実は使わずに皮だけを茶葉に混ぜていました。皮はベルガモットよりも薄く、水分があり柔らかかったため刻むのが難しかったです。包丁では手間がかかるのでフードプロセッサーを使ったのですが塩梅が難しく、理想的なブロック状にカットできるまで時間がかかりました。

大きめにカットしたのは「ゴロッとしていた方がいい」というお客さまの声があったからです。茶殻に大きな実が入っていると喜んでくださる方も多いみたいで。本来は細かくした方が茶葉に香りが移りやすいですが、お客さまのご意見を踏襲する形にしました。このサイズの柚子と均一に混ざるように、茶葉は少し大きなものを合わせています。

中村:実は今、皮を100%活用できていないので、100%に持って行くことが私たちの課題です。ゆず茶というと、今まではお湯に溶かすジャムのようなものがほとんどでしたが、本当のお茶ができてすごいと思いました。この「Botanytea」は皮の新しい活用法になりそうです。

Botanyteaゆずの茶葉

秋林:ゆずは実よりも皮の方が活用の幅が広いと思っていたのですが、そうではないんですね。

中村:搾汁用のゆずは皮がきれいなものとそうでないものが混ざっています。搾汁率は20%で、80%は苦味が出てしまう皮の部分が残り活用できていないのが現状です。

また、皮は痛みが早いのも扱いづらい理由のひとつです。時間経過で色も香りも変わってしまうのですが、このお茶に使われている柚子は色も香りも生に近い状態なので、どんな技術を使っているのだろうと不思議に思っていました。

秋林:それが特許「フレッシュアロマ製法(特許出願中)」の技で、このお茶の要になります。実際にお茶を飲んでみていかがでしたか?

お茶を飲む中村さん

中村:淹れる前の状態はゆずの粒がこんがりとしたポップコーンのような色で、色も香りもしっかり残っている感じでした。茶色く変色している様子もなくて、本当にすごい。淹れてみるとゆずの香りがきいていて、とてもおいしかったです。ブレンドしている和紅茶ともよく合っているし、ゆずの粒もきれいで感動しました。

秋林:ありがとうございます。生産者の方にそういっていただけてとてもうれしいです。きれいな黄色を出すこともこだわりだったので、飲んでいただく時にはこの色にもご注目いただければと思っています。

中村:標高400mの自然に囲まれた、最高に眺めのいい「天空」の果樹園でできた香り高い有機栽培のゆず、しかも希少な「優品」を使っていますので、ぜひ多くの方にこのおいしさを味わっていただきたいですね。

中村さんと秋林と農園
中村農園の中村博さん(左)と
三井農林茶葉開発室の秋林健一(右)。
終始和やかな雰囲気の中にも、
つくり手の情熱が垣間見える対談でした。
緑の天空のゆず
取材時はまだ小さく緑色でしたが、
10月頃には黄色く色付き
11月にかけて完熟するそうです。
ぜひ一度味わってみたいですね。
見晴らしの良いやまと空の景色
澄み切った山の空気と緑豊かな自然の中で
育てられる中村農園のゆず。
山に響き渡る小鳥のさえずりにも癒されました。