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トップ>コラム一覧> 世界の紅茶の産地を訪ねて – 日本 静岡県島田市 井村製茶 –

産地

世界の紅茶の産地を訪ねて
 – 日本 静岡県島田市 井村製茶 –

2024.11.5

ダージリン、ウバ、アッサム、キーモン(キーマン)・・・。
世界中の様々な土地で作られ、世界中でその土地ならではの飲み方で愛され続けてきた紅茶。

世界には、無数の種類の紅茶が存在します。
産地の名前がそのまま紅茶の銘柄になっているものがほとんどです。それぞれの産地で個性ある茶葉が生まれるため、どこで生産された茶葉かが重要な印であり、いつしかブランドとなったのでしょう。

nittoh.1909を運営する三井農林は、100年近く前から、紅茶生産に関わってきました。本コラムでは、そんな私たちが実際に世界中の紅茶の生産地に赴き、見て、聞いて、感じた紅茶の生産地ごとの空気感を、皆様に少しでもお伝えできればと思います。

今回ご紹介するのは、日本・静岡県島田市の井村製茶についてです。

和紅茶について

和紅茶とは、日本の気候風土に育まれた茶樹から摘み取った茶葉を使い、日本で紅茶に加工したお茶のことです。2023年11月時点で、47都道府県の1,002カ所(注1)で和紅茶がつくられていて、茶農家がそれぞれに工夫を重ね、個性的な香りを生み出しています。
国内での茶葉の生産時期は、一番茶が4月末〜5月中旬、二番茶が6月中旬〜7月、三番茶が8月と、緑茶とほぼ同時期になります。和紅茶が多くつくられているのは主に二番茶です。二番茶の時期は気温が高く、紅茶の発酵もしっかりと進むため、紅茶の味・香り・水色の3拍子がそろったフルボディの紅茶が出来やすくなるからです。
国産で有名な品種の筆頭に挙げられる「やぶきた」は緑茶向きの品種ですが、日本ではこのやぶきた種から多くの和紅茶がつくられています。一方で、紅茶向けに開発された品種が、ボディ感のある紅茶をつくることができる「べにふうき」。国内ではこのほかにも、「べにひかり」、「藤かおり」、「さやまかおり」、「べにほまれ」などの品種も生産されています。

井村製茶について

日本の地図

井村製茶は明治の初め、茶の輸出が始まった頃に創業し、現在5代目と6代目が継承する篤農家です。輸出用に手揉み緑茶の製造から始め、製茶機械が開発されるとすぐに導入、50年ほど前からは渋みを抑え味重視の深蒸し煎茶を主に製造しています。
紅茶製造は2005年から開始しました。「べにふうき」は、インドから導入した系統の実生から選抜した日本最初の紅茶品種「べにほまれ」とダージリンから導入した品種を交配したもので、紅茶のような発酵茶に適した品種です。緑茶にすると渋みが強くなりますが、萎凋発酵させて発酵茶にすると優れた香味が発現します。その後2010年に第一次国産紅茶ブーム、2016年に第二次国産紅茶ブームが続き、現在も井村製茶では年間数トンの紅茶を製造しています。

茶園の写真

井村製茶は「べにふうき」を原料にした紅茶【ももか】が有名ですが、それ以外にも多数の茶を製造しています。茶園はすべて品種茶で、「やぶきた」「べにふうき」「さやまかおり」、他にも「さえあかり」等をわずかながら栽培しています。2019年頃からは「べにひかり」「香駿」「いずみ」という、発酵茶にすると特徴が発現する品種も試験的に栽培し、将来に向け特徴ある発酵茶の製造にトライしています。

紅茶「ももか」
べにふうきを原料にした紅茶「ももか」

全国各地で開かれる品評会には積極的に参加しており、「ジャパン・ティーフェスティバル(2017年まではシングルオリジンティー・フェスティバル)では、2016年から毎年連続入賞、「日本茶AWARD」でも入賞し、2016年、2018年、2021年にはプラチナ賞を受賞。また尾張旭市で開催される「国産紅茶グランプリ」(主催:一般社団法人尾張旭環境協会)でも2017年から毎年入賞し、2020年、2021年にはグランプリを受賞しました(2020年はチャレンジ部門、2021年はプロダクツ部門)。
場所は静岡県島田市牧之原台地の北部にあり、電車ではJR金谷駅からタクシーで8分、車では新東名金谷島田ICから車で15分、東名牧之原ICから15分、国道1号線バイパス島田菊川ICを出て菊川方面に向かい500mの所にあります。飛行機でも静岡富士山空港からタクシーで10分とアクセス環境は良いです。
認証関係では茶草場農法実践者認証、エコファーマー認証を取得しています。紅茶用茶葉栽培園では有機肥料で栽培しています。

所在地 静岡県島田市菊川686
栽培面積 自園5ha / 協力茶園1ha
年間生産量 紅茶3〜4トン/緑茶5〜10トン
茶園標高 100〜200m
従業員数 家族経営

(出典:日本紅茶協会発行 紅茶会報 10月号 2021 No.486)

「井村製茶について」は、当社社員が上記出典元に寄稿した「茶園を訪ねて」という記事を再編して掲載しております。

注1)出典:地紅茶学会「全国地紅茶マップ2023」