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産地

世界の紅茶の産地を訪ねて
 – スリランカ キャンディ地区 ケニールワース茶園 –

2025.2.17

ダージリン、ウバ、アッサム、キーモン(キーマン)・・・。
世界中の様々な土地で作られ、世界中でその土地ならではの飲み方で愛され続けてきた、紅茶。

世界には、無数の種類の紅茶が存在します。
産地の名前がそのまま紅茶の銘柄になっているものがほとんどです。それぞれの産地で個性ある茶葉が生まれるため、どこで生産された茶葉かが重要な印であり、いつしかブランドとなったのでしょう。

nittoh.1909を運営する三井農林は、100年近く前から、紅茶生産に取り組んできました。
本コラムでは、そんな私たちが実際に世界中の紅茶の生産地に赴き、見て、聞いて、感じた紅茶の生産地ごとの空気感を、皆様に少しでもお伝えできればと思います。

今回ご紹介するのは、スリランカ キャンディ地区 ケニールワース茶園です。

キャンディという地区について

紅茶栽培に適した気候風土を持ち、バランスのとれた高品質の紅茶が生産され、セイロンティーとして日本でも親しまれているスリランカ。 

そんなスリランカで最初に紅茶が栽培されたキャンディ地区。最後のシンハラ王朝のあった古都キャンディ付近で生産されています。  標高は700〜1,400mの中高地で、強いモンスーンから守られ、水色・コクが強いのが特徴です。

(出典:稲田信一「紅茶入門 改訂版」, 日本食糧新聞社, 2016年)

ケニールワースという
茶園について

ケニールワース茶園の写真

Kenilworth Tea Estate(ケニールワース茶園)へは、コロンボから東へ102km、ディンブラへと通じる国道 7号線沿いにあります。アヴィサヴェラの町を経由してKitulugalaのレストハウスまでコロンボから車で2時間かかります。ここを流れるケラニ川は1957年にアカデミー賞を受賞したThe Bridge on River Kwai の撮影が行われたことで有名ですが、近年このレストハウスの裏を流れるこの川でラフティングを楽しむ外国人も多くなっています。茶園へはここから15分で到着します。茶園の標高は616〜640m、工場は標高640mの所にありMedium Grownに位置し産地としてはキャンディ紅茶となりますが、ここからキャンディの町までは1時間以上も掛かりずいぶん遠いです。7号線を40〜50分進めばディンブラの茶園が見えて始め、むしろディンブラに近いです。工場茶園の南側は霊峰アダムスピークから流れるケラニ川、北側の谷はヌワラエリヤから流れるマハベリ川が流れ、南西、北東モンスーンどちらの影響も受け、年間4800mm余りの豊富な雨量に恵まれています。製造はオーソドックス製法で、形状がやや大型となります。茶葉の外観は紫がかった黒色で、ローターバンを使用していないためディンブラに比べると形状は大きく良品はチップを多く含んでいます。水色は濃い赤橙色、香味は赤りんごにマーマレードが加わったような強いコクが特長です。Kenilworth紅茶は品質面で世界的に評価高くオークションでは何度もトッププライス賞を取っています。

地図の写真

茶園名は英国イングランドにある古城ケニールワースの名を取って付けられました。現在の工場は1942年古い工場が破壊された後1947年に建てられました。1992年6月の民営化後Watawala Plantations PLCが経営管理しており現在に至っています。(注1)この会社は他にCarolina、ディンブラの地区にWaltrim、Dickoya(=Adisham)の他、Low Grownにも茶園を管理しています。

茶園総面積は603.11Ha、茶栽培面積は295.36Ha年間茶生産量700〜750トン。茶樹品種化率は86%と高いです。(注2)認証はISO9002、ISO22000:FSMS、HACCP、SGS/TASL、ETP、CQC-1 Star、Fairtrade、Rainforest Allianceを取得しています。(注3)関係者によると、茶園は労働者の関係を大切にしているとのことで、住居はもちろんのこと、医療給付、分娩休暇、娯楽施設提供、子供の福祉教育を含め労働者が健康で安全な生活ができるよう支援しており、また茶園労働者だけでなく近郊に住む身体障害者のために1998年6月職業訓練学校を立ち上げているとのことです。

所在地 Ginigathena Central Province Sri Lanka(ギニガテナ 中央州 スリランカ)
茶園面積 603.11ha(注2)
栽培面積 295.36ha(品種 86%)(注2)
年間生産量 700〜750トン(注2)
従業員数 600人(注4)
管理会社 Watawala Plantations PLC(注1)

(出典:日本紅茶協会発行 紅茶会報12月号 2014 No.404)

「ケニールワース茶園について」は、当社社員が上記出典元に寄稿した「茶園を訪ねて」という記事を再編して掲載しております。 

注1)2024年11月時点で、ケニールワース茶園はHatton Plantations PLCが経営管理しています。
注2)2024年11月時点で、茶園面積は600.86ha、栽培面積は248ha(品種88%、実生12%)、年間生産量は600トンです。
注3)2024年11月時点で、ケニールワース茶園が取得している認証は、ISO22000、HACCP、 GMP、Fairtrade、Rainforest Allianceです。
注4)2024年11月時点で、従業員数は458人です。