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産地

世界の紅茶の産地を訪ねて
 – スリランカ ディンブラ地区 ラクサパナ茶園 –

2025.3.18

ダージリン、ウバ、アッサム、キーモン(キーマン)・・・。
世界中の様々な土地で作られ、世界中でその土地ならではの飲み方で愛され続けてきた、紅茶。

世界には、無数の種類の紅茶が存在します。
産地の名前がそのまま紅茶の銘柄になっているものがほとんどです。れぞれの産地で個性ある茶葉が生まれるため、どこで生産された茶葉かが重要な印であり、いつしかブランドとなったのでしょう。

nittoh.1909を運営する三井農林は、100年近く前から、紅茶生産に関わってきました。
本コラムでは、そんな私たちが実際に世界中の紅茶の生産地に赴き、見て、聞いて、感じた紅茶の生産地ごとの空気感を、皆様に少しでもお伝えできればと思います。

今回ご紹介するのは、スリランカ・ディンブラという地区のラクサパナという茶園についてです。

ディンブラという地区について

紅茶栽培に適した気候風土を持ち、バランスのとれた高品質の紅茶が生産され、セイロンティーとして日本でも親しまれているスリランカ。
そんなスリランカの中にあるディンブラは、中央山岳地帯の西側に広がる高地にあります。水色は明るく鮮やかな紅色で、マイルドで優雅な香りと適度な渋みを伴うバランスのとれた味わいが特徴です。

ラクサパナという茶園について

ラクサパナ茶園の写真

Laxapana Tea Estateへは(ラクサパナ茶園)、コロンボから東へ国道7号線を利用して車で4時間余、Kitulgalaからは1時間ほどで着きます。ディンブラの中で最も西寄りのMaskeliya地区にあり霊峰Adams Peakの麓に位置します。Adams Peakは標高2,243m、現地ではSri Pada(聖なる足跡)と呼ばれ、頂上付近にある岩の穴が足跡に似ていることから、仏教徒は仏陀、ヒンドゥー教徒はシバ、イスラム教徒はアダム、キリスト教徒はSt Thomasの足跡と信仰する有名な山です。天候が比較的安定する12〜5月には参拝のため多くの巡礼者が登山します。ヌワラエリヤからは7号線をコロンボ方面に戻り、Hattonの町で分かれDickoyaを経由してMaskeliyaまで2時間半ほどかかります。Maskeliyaはケラニ川の最上流部でMousakelle、Castlereighという大きな貯水湖があり風光明媚な地区です。近年、湖の回りにある茶園のゲストハウスがホテルとして活用されるようになり、多くの旅行客が訪れるようになりました。

地図の写真

茶園はもともと1830年にコーヒー園としてスタートしたが、1855年にさび病が蔓延し始め、紅茶に移行していきました。Laxapanaとは「10万個のランプ」という意味で、スリランカ水力発電の父として有名な技師が1918年に発電プロジェクトを提案、水資源が豊富で水力発電に適したこの地区をLaxapanaと命名し、茶園名もこれを使用しました。1967年に水力発電用の貯水湖を建設したため当時の茶工場、労働者の住居、マネージャーのバンガロー、また多くの茶畑が水没しました。茶園の標高は1,277〜1,425m、工場は1,425mにあります。737.05haの土地に425.95haに渡って茶樹が栽培されており、総勢1,039人の労働者により、年間755トンの紅茶が生産されています。(注1、2、3、4)近隣にはMoray、Mocha、Mousakelle等の茶園があります。管理会社はMaskeliya Plantations PLCで、近隣3茶園の他、Brunswick、St.Clair、Strathspey、Glenugie、Talawakelle等のディンブラ茶園、Craig等のウバ茶園を管理しています。親会社はRichard Peiris & Company PLCで、Maskeliya Plantationsの他にもKegalle Plantations PLC、Namunukula Plantations PLCを管理しており、グループ全体では年間1万3千トンもの紅茶を生産しています。(注5)
製法はローターバンを利用したセミオーソドックスで、品質はコクがあり水色の濃いタイプです。2〜3月のクオリティシーズンには水色が明るくなり、コクとともに香りも出てきます。認証はISO22000:2005、FLO、ETP、5Sを取得済で、RAは取得中です(2014年11月時点)。(注6)

ラクサパナ茶園の写真
所在地 Maskeliya Central Province Sri Lanka(マスケリヤ 中央州 スリランカ)
工場標高 1,425m(注1)
茶園面積 737.05ha(注2)
栽培面積 425.95ha(品種 61%、実生 39%)(注2)
労働者数 1,039人(注3)
茶樹品種 TRI2000, 3000 & 4000 Series、DT1、DN、CY、N2、DYN、KO145、WY、CY9
年間生産量 755トン(注4)
管理会社 Maskeliya Plantations PLC
親会社 Richard Peiris & Company PLC

(出典:日本紅茶協会発行 紅茶会報 2月号 2015 No.406)

「ラクサパナ茶園について」は、当社社員が上記出典元に寄稿した「茶園を訪ねて」という記事を再編して掲載しております。

注1)2024年11月時点で、ラクサパナ茶園の標高は1,260〜1,302mで、工場は1,260mにあります。
注2)2024年11月時点で、茶園面積は721ha、栽培面積は425ha(品種63%、実生37%)です。
注3)2024年11月時点で、労働者数は819人です。
注4)2024年11月時点で、年間生産量は600トンです。
注5)2024年11月時点で、ラクサパナ茶園の管理会社Maskeliya Plantations PLCの親会社である Richard Peiris & Company PLCグループ全体の年間生産量は9,321トンです。
注6)2024年11月時点で、ラクサパナ茶園が取得している認証は、ISO22000, Rainforest Alliance FLOです。