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トップ>コラム一覧> ウバ紅茶を完全ガイド 産地・歴史・製法、ストレート/ミルクに合う茶葉の選び方

知識

ウバ紅茶を完全ガイド
産地・歴史・製法、ストレート/
ミルクに合う茶葉の選び方

2025.12.5
紅茶と茶葉

ウバは、スリランカを代表するハイグロウンティーの名産地であり、「世界三大銘茶」の一角を担う紅茶です。口に含んだ瞬間に立ち上がるミント様の爽快感(いわゆるウバ・フレーバー)と、凛として切れのある渋みが特徴。「ウバってどんな紅茶?」という方へ、日本紅茶協会認定ティーインストラクターの筆者が、産地、歴史、製法と味わい、ストレートやミルクティーに適した茶葉の選び方と淹れ方、スイーツとの相性までをわかりやすく解説します。

ライター:中村康太
nittoh.1909スタッフ/日本紅茶協会認定ティーインストラクター
スリランカやインドなどの紅茶産地訪問の経験を活かし、nittoh.1909の商品、コンテンツの企画開発を担当。

ウバ紅茶の基本情報

ウバはスリランカ(旧セイロン)中央山地の東側斜面に広がる紅茶産地です。ウバ州はバドゥウラ、モネラガラという2つの行政区に分かれており、中央山塊の南東斜面に位置するバドゥウラが主な生産エリアです。年間を通じて生産は行われますが、特に品質が高まるのは「クオリティーシーズン」と呼ばれる7〜9月頃です。

スリランカ地図

歴史を遡ると、19世紀後半、コーヒーさび病で壊滅したスリランカのコーヒーに代わって紅茶栽培が拡大。英国人プランターにより、アッサム系を基盤とした茶樹が導入され、のちにスリランカの環境に適した選抜・育種が進みました。ウバは、ダージリン、キーマンと並ぶ世界三大銘茶として国際的評価を確立し、現在も名門茶園の高品質なロットはスリランカで行われるコロンボ・ティーオークションで高値をつけます。

テロワール(気候・標高)と
品質の特徴

スリランカの紅茶は標高600m以下のローグロウンティー(低地産)、標高600〜1,200mのミディアムグロウンティー(中地産)、標高1,200m以上のハイグロウンティー(高地産)に分けられます。ウバは標高約1,000〜1,600mの高地及び中地に位置しますが、ハイグロウンティーの代表的エリアとされています。7〜9月頃の南西モンスーンは西側斜面のディンブラに雨を降らせますが、東部のウバでは乾燥した風が吹き良質の茶葉が生産されます。この時期の最終期間にはウバ・フレーバーと呼ばれるメチルサリチレート系の爽快な香りとシャープな渋みを持つ力強い味わいが特徴です。

主な茶樹品種と製法

ウバで主に栽培されるのはアッサム系を基盤とした在来実生とTea Research Institute of Sri Lanka(TRI)が選抜したスリランカ独自のクローナル種です。製法はセミオーソドックス製法が中心。萎凋、揉捻工程の後にローターバンという機械で葉を切断することで、オーソドックス製法に近い香りと味わいを生かしながら、細かい茶葉を製造できる製法です。そのため、ウバ紅茶ではBOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)、BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)が多いですが、オーソドックス製法によるOP(オレンジ・ペコー)も一部製造されます。

茶園

ウバ紅茶の味・
香りの特徴

ウバ紅茶の水色は明るく赤みのある橙色。ウバ・フレーバーと呼ばれる特有の爽快な香り、青りんご、バラのような香りも楽しめます。刺激的な渋みを持つ力強い味わいが特徴です。

ウバ紅茶の味・香りの特徴

おすすめの飲み方

ウバ紅茶は、ストレートでもミルクティーでも楽しめます。特徴的な香りを堪能したい方にはストレートがおすすめ。長時間の抽出は渋みが強く出すぎるため、推奨の蒸らし時間を守ってください。渋すぎると感じた場合は、差し湯で調整しても良いでしょう。ミルクティーにする場合は、蒸らし時間を少し長めにするのがおすすめです。細かな形状の茶葉を選ぶと、紅茶のボディをしっかり感じられるミルクティーに仕上がります。グラニュー糖で甘味をつけるとウバの香りを残しながら、渋みの角が取れ飲みやすくなります。お砂糖は控えめにすると香りと渋みのバランスが取れたミルクティーになります。

スイーツとのペアリング
(相性の理由と具体例)

シャープな渋みが特徴のウバ紅茶は、ベイクドチーズケーキやフィナンシェのような乳脂肪・油脂の多いスイーツと合わせると、油脂感が洗い流され、口の中がリセットされることで、次の一口もおいしく食べ進められます。カレーも好相性です。スパイスや野菜の香味と、紅茶のグリーンでクールな香りが調和し、渋みのウォッシュ効果により脂っこさを和らげてくれます。

まとめ

ウバ紅茶は、スリランカの気候が育む独特のウバ・フレーバーとシャープな渋みで世界三大銘茶に数えられる紅茶です。ストレートで渋みのキレとすーっとした爽快な香りを楽しむ日、ボディのあるロットでミルクティーに合わせる日など、シーンに合わせて選ぶことで魅力がいっそう際立ちます。茶園ごとの個性に触れながら、お気に入りの一杯を見つけてください。

参考文献
・紅茶の大辞典(成美堂出版)
・改訂版紅茶入門(稲田信一編著 株式会社日本食糧新聞社)
・Sri Lanka Tea Board : https://srilankateaboard.lk/ceylon-tea/tea-growing-regions/uva/(2025年11月19日)

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