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トップ>コラム一覧> インドネシア紅茶を完全ガイド 産地・歴史・製法、おすすめの飲み方

知識

インドネシア紅茶を完全ガイド
産地・歴史・製法、おすすめの飲み方

2026.4.2
インドネシアの茶園

インドネシアの紅茶は、世界有数の生産量を誇りながら、日本では馴染みが薄いかもしれません。渋みが少なく、すっきりとした味わいは、紅茶初心者から愛好家まで幅広く楽しめる魅力を持っています。今回は、日本紅茶協会認定ティーインストラクターである筆者が、インドネシア紅茶の味や香りの特徴、ジャワ島やスマトラ島といった主な産地、そしてその魅力を引き出す美味しい飲み方について詳しく解説します。

ライター:中村康太
nittoh.1909スタッフ/日本紅茶協会認定ティーインストラクター
スリランカやインドなどの紅茶産地訪問の経験を活かし、nittoh.1909の商品、コンテンツの企画開発を担当。

インドネシア紅茶の基本情報

インドネシアは、世界第7位の茶生産国であり、紅茶においては世界有数の生産量を誇ります(2024年時点)。主にジャワ島とスマトラ島で生産されており、広大なプランテーション(茶園)が広がっています。生産される紅茶の一部は、欧米、東南アジア、中東など各国へ輸出されます。

インドネシアの地図

その歴史は古く、17世紀にオランダ東インド会社が茶の種子を持ち込んだことから始まります。19世紀に入ってからアッサム種が導入されたことで栽培が本格化し、大規模なプランテーションが発展しました。

テロワール(気候・標高)と
品質の特徴

赤道直下に位置するインドネシアは、熱帯性気候による豊富な雨量と豊かな日照に恵まれています。さらに、多くの茶園は火山地帯の斜面に位置しており、水はけが良く肥沃な火山性土壌が、茶樹の成長を力強く支えています。
一年を通して温暖なため、休眠期がなく通年で茶葉の収穫が可能です。この安定した気候風土が、年間を通して品質が安定した紅茶を生み出す要因となっています。
インドネシア紅茶の主要な産地は、ジャワ島とスマトラ島の二つの島です。これらの島々で、栽培される紅茶の特徴が異なります。

ジャワ島(ジャワティー)
ジャワ島はインドネシアにおける紅茶生産の中心地であり、ここで作られる紅茶は「ジャワティー」と呼ばれます。ジャワ島の主産地は西部バンドン周辺の高原地帯に位置しており、冷涼な気候がすっきりとした味わいの茶葉を育みます。ジャワティーは、渋みが少なくマイルドな口当たりで、ほのかな甘みと穏やかな香りが特徴です。日本の市場でも比較的見かける機会が多いインドネシア紅茶の代表格です。

スマトラ島(スマトラティー)
スマトラ島はジャワ島に次ぐ紅茶の産地です。ここで生産される紅茶は、一般的に「スマトラティー」と呼ばれています。スマトラティーは深く濃い赤色の水色(すいしょく)で、ジャワティーよりも落ち着いた風味です。スリランカ・ローグロウンに似た香味と評されることもあり、中近東の市場で好まれます。

主な茶樹品種と製法

インドネシアで栽培されている茶樹は主に「アッサム種」と呼ばれる品種で、中国種の茶樹とは異なり、葉が大きく厚みがあるのが特徴です。この品種はカテキン含有量が多く、酸化発酵が進みやすいため、紅茶製造に適しています。

アッサム種の葉の大きさ

アッサム種は手のひら程度の大きさになる。

製法はオーソドックス製法とCTC製法の大きく2種類です。

オーソドックス製法
伝統的な紅茶の製造方法がこのオーソドックス製法です。萎凋させた葉を揉捻機で揉みます。圧力をかけて揉むことで茶の形状を整えていくとともに、茶葉の組織や細胞を破壊し、酸化酵素を含んだ茶汁を出し、空気に触れさせ、酸化発酵を促進させます。このオーソドックス製法でBOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)を中心に、リーフタイプの紅茶が製造されます。

CTC製法
CTCとは、Crush(押しつぶす)、Tear(引き裂く)、Curl(丸めて粒にする)の略。茶葉を機械で細かく砕き、揉みながら丸めることで酸化発酵を促進し、濃厚で力強い味わいと濃い水色(すいしょく)を実現します。この製法は大量生産に適しており、コストを抑えつつ安定した品質の紅茶を生産できるため、現在、世界で最も生産量の多い製法です。

ジャワティーの味・
香りの特徴

インドネシア紅茶を代表するジャワティーの特徴は、渋みが少なく、すっきりした味わいです。香りは穏やかで強すぎず、ごぼう、樹皮のようなウッディな香りにシナモンを感じさせるスパイシーさが感じられます。他の紅茶の個性を邪魔することなく、渋みを抑えられることから、ブレンドティーのパーツとしても使用されることがあります。

ジャワティーの味・香りの特徴

おすすめの飲み方

ジャワティーは、渋みが少なくすっきりした味わいと美しい水色(すいしょく)から、様々な楽しみ方ができます。渋みが少ないため、まずはストレートで素材本来の風味を味わうのがおすすめです。また、クリームダウンしにくい特性を活かして、透き通った見た目も美しいアイスティーにするのも良いでしょう。ここでは、ジャワティーをさらに美味しく味わうための、おすすめの飲み方を紹介します。

まずはストレートで。渋みの少ない本来の味を楽しむ
ジャワティーの持つ、渋みが少なくすっきりとした本来の味わいを最もよく感じられるのがストレートティーです。砂糖やミルクを加えず、まずはそのまま飲んでみてください。口の中に広がる穏やかな香りと、ほのかな甘みをじっくりと楽しむことができます。茶葉本来の繊細な風味を消さないよう、抽出時間を守って丁寧に淹れることで、その魅力を最大限に引き出せます。

鮮やかな水色が映えるアイスティーとしても
ジャワティーは、アイスティー向きの茶葉の一つです。その理由は、タンニンが少ないため、冷やしても白く濁る「クリームダウン」が起きにくいことにあります。そのため、見た目にも美しいアイスティーが作れます。味わいも渋みが少なく、ゴクゴクと飲みやすい爽やかな仕上がりになります。レモンやミントを加えたり、フルーツと合わせたりするアレンジもおすすめです。

インドネシアでは甘くして飲むのが一般的「Teh(テ)」の楽しみ方
インドネシアでは紅茶を「Teh(テ)」と呼び、国民的な飲み物として親しまれています。現地での一般的な飲み方は、グラスにたっぷりの砂糖やガムシロップを加えて、非常に甘くして飲むスタイルです。暑い気候の中で、この甘さがエネルギー補給にもなると考えられています。屋台や食堂では、温かい「Teh Panas(テ・パナス)」や、氷入りの冷たい「Es Teh(エス・テ)」が定番メニューとして提供されており、食事と一緒に楽しむのが日常的な光景です。

スイーツ・フードとのペアリング

ジャワティーは、渋みが少なくすっきりした味わいが特徴で、スイーツだけでなく、お食事とも好相性です。スパイシーな香りをもつジャワティーは、同じくスパイシーな香りのお料理とペアリングがおすすめです。現地の料理と現地の飲み物が合うのはペアリングの基本。ナシゴレンなどのエスニック料理と合わせると相性の良さが感じられるかもしれません。

まとめ

インドネシア紅茶は、世界有数の生産地でありながら、その魅力はまだ広く知られていないかもしれません。渋みが少なくすっきりした味わいは、ストレートティーやアイスティーに適しています。主な産地であるジャワ島やスマトラ島で育まれる茶葉は、それぞれ異なる個性を持ちます。現地では砂糖をたっぷり入れて甘く飲む文化が根付いており、その楽しみ方を知ることも魅力の一つです。この記事を参考に、インドネシア紅茶の奥深い世界をぜひ探求してみてください。

参考文献
・紅茶の大辞典(成美堂出版)
・改訂版紅茶入門(稲田信一編著 株式会社日本食糧新聞社)
・紅茶をもっと楽しむ12ヵ月(日本紅茶協会監修 株式会社講談社)
・Annual Bulletin of Statistics 2025(International Tea Committee)

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