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知識

ステンレスボトルに入れるなら、どの紅茶がおすすめ?

2024.4.22
ステンレスボトルの写真

紅茶はティーポットに茶葉を入れて抽出したものをお家でゆっくり飲むことが多いかと思いますが、「外出先でもおいしい紅茶を飲みたい」と思うこともありますよね。

もちろん、紅茶を保温容器に入れて持ち運ぶことはできますが、長時間の保温には紅茶の香味特徴により向き不向きがあります。

そこで、保温可能なステンレスボトルに入れた紅茶の香味の経時変化について調べてみました。香味の変化が少ない紅茶をボトルに入れて持ち運べば、外出時にも美味しい紅茶でひと息つくことができますよ。

5産地を比較して時間経過による
香味の変化を検証

1L容量の保温ステンレスボトルに、下記条件で抽出した紅茶を600ml入れた時の変化について、官能評価と機器による分析を行いました。

対象の紅茶はアッサム、ディンブラ、ダージリン・セカンドフラッシュ、ウバ、ヌワラエリヤの5種類です。

官能評価では、トレーニングを受けた専門パネル7名にて、「淹れたて」(青ライン)と「ステンレスボトルに入れて6時間後」(赤ライン)の香味変化を評価しました。赤ラインの円の形が青ラインの円に近いほど、香味変化が少ないことを示しています。

アッサム

アッサムの官能評価チャート図

抽出条件:茶葉10gに対し、
熱湯600ml/抽出時間3分

ディンブラ

ディンブラの官能評価チャート図

抽出条件:茶葉10gに対し、
熱湯600ml/抽出時間2分30秒

ダージリン・セカンドフラッシュ

ダージリン・セカンドフラッシュの官能評価チャート図

抽出条件:茶葉10gに対し、
熱湯600ml/抽出時間4分

ウバ

ウバの官能評価チャート図

抽出条件:茶葉10gに対し、
熱湯600ml/抽出時間2分30秒

ヌワラエリヤ

ヌワラエリヤの官能評価チャート図

抽出条件:茶葉10gに対し、
熱湯600ml/抽出時間2分30秒

いずれの紅茶も、グリーン、フラワリー、フルーティー(フレッシュ)は弱まり、フルーティー(加熱加工)とスイートは強まる傾向に。
また、渋みの強さはほとんど変わりませんでした。

5産地を比較して時間経過による
機器分析を実施

次に、熱湯で抽出した紅茶の持つ香り成分を機器分析(GC-MS)し、「淹れたて」と「ステンレスボトルに入れて6時間後」を比較しました。

産地を問わず、「青い香り」や「華やかな香り」は減少し、「甘い香り」は増加する傾向であることが分かりました。

アッサム

アッサムの時間経過による香り成分グラフ

ディンブラ

ディンブラの時間経過による香り成分グラフ

ダージリン・セカンドフラッシュ

ダージリン・セカンドフラッシュの時間経過による香り成分グラフ

ウバ

ウバの時間経過による香り成分グラフ

ヌワラエリヤ

ヌワラエリヤの時間経過による香り成分グラフ
SPME-GC-MS法による機器分析

時間経過により弱くなる「青い香り」や「華やかな香り」は、全体的な香味のバランスに影響することから、保温ステンレスボトルでの時間経過に強い(向いている)産地が見えてきました。

発酵が深いアッサムやディンブラは、もともとフルーティー(加熱加工)、スイートな特徴が強いため、全体の香味変化が少なかったと考えられます。

一方、ウバ、ダージリン・セカンドフラッシュ、ヌワラエリヤは「青い香り」や「華やかな香り」が弱まり、フルーティー(加熱加工)やスイートな特徴が強まったため、全体としての香味変化が大きくなったものと考えられました。

ステンレスボトルに入れて持ち歩くには
アッサムやディンブラがおすすめ

今回の検証から、ステンレスボトルに入れて持ち歩くなら、時間経過による香味変化が少ないアッサムやディンブラがおすすめです。

仕事中にステンレスボトルを携帯している様子

社員の中には「紅茶を抽出してすぐにボトルにいれると保温性が高くてすぐは飲めないので、さし水をして温度を下げてからボトルに入れている」という者がいました。

筆者も同じような経験をしたことがあるので、特に金属が口に触れるタイプのボトルを使っている方はやけどにご注意ください。

※今回の実験条件においては、上記の結果となりましたが、ステンレスボトルのメーカーやボトルサイズ、抽出条件等によって、異なる結果となる場合もございます。また、ステンレスボトルの使用については、各メーカーが推奨する方法をご確認いただき、ご使用いただくことをお勧めいたします。飲み物を入れた状態で長時間放置すると、腐敗や変質の原因となるためお止めください。抽出した紅茶はお早めにお召し上がりください。