「フレーバード」と「センティッド」。意味から違いを紐解く
茶葉に香りを添加したものを「着香茶」と呼びます。簡単に言えば、フルーツやお花、スパイスなどで香りづけをしたお茶のことで、「フレーバードティーという言葉なら聞いたことがある」という方も多いと思います。しかし、正確には「着香茶=フレーバードティー」ではなく、フレーバードティーは着香茶の一種なのです。
着香茶は大きく2つに分類することができ、一つはフレーバードティー、もう一つはセンティッドティーです。同じ香りづけをしたお茶でも、フレーバードティーとセンティッドティーは何がどう違うのか、まずはそれぞれの英語の意味から紐解いていきたいと思います。
flavored(フレーバード)
〇〇の味(香り)の、〇〇風味の「味・風味」という意味を持つ名詞「flavor(フレーバー)」の形容詞。つまり、「フレーバードティー」とは「〇〇の味(香り)のお茶」を意味します。
※よく「フレーバーティー」と表記されることがありますが、英語的にはこれはNG。正しくは「フレーバードティー」となります。
scented(センティッド)
香りをつけた、よい香りのする 「におい・香り」という意味を持つ名詞「scent(セント)」の形容詞。
つまり、「センティッドティー」とは「香りづけしたお茶」のことです。
意味からも、微妙なニュアンスの違いがあるのがわかりますよね。それでは、「フレーバードティー」と「センティッドティー」、具体的にはどんな違いがあるのか深掘りしていきましょう。
フレーバードティーは
香料で香りをつけたお茶のこと
「フレーバードティー」とは、茶葉に香料などで香りづけをしたお茶のことです。1960年代後半から欧米諸国で香料の開発が進み、食品添加物として認可された香料が流通するようになって誕生しました。香料などを使うため、いろいろな香りを楽しめるのが魅力です。香りづけには、花や果実、果皮、スパイスなどの香りをイメージした香料などを用い、茶葉は香りとの相性によって選定されます。使われる茶葉は紅茶に限らず、烏龍茶や緑茶などもベースとして使われます。
フレーバードティーの代表格といえばアールグレイでしょう。柑橘の一種である「ベルガモット」の香りを茶葉に着香したものが一般的です。アールグレイは人気が高いので、お好きな方も多いのではないでしょうか。使用する茶葉はさまざまで、紅茶の種類によって個性を出しているブランドもあります。このほか、アップルティーやキャラメルティーなどもフレーバードティーにカテゴライズされます。
センティッドティーは
茶葉に香りを移したお茶のこと
センティッドティーは、茶葉特有の「匂いを吸収する性質」を利用して、花や果実、果皮、スパイス類など香りの元となる材料を直接茶葉に混ぜ、その香りを茶葉に移したお茶のことです。香料を使用せず、植物などから香りを移すため、原料選びや製造工程など、メーカーそれぞれに独自の工夫がみられるのも興味深いところです。
センティッドティーの代表格は、中国茶のひとつで茉莉花(マツリカ)の香りを茶葉に移したジャスミン茶です。茶葉には緑茶が使われ、茉莉花の蕾と茶葉を積み重ねて香りを移します。上品な花の香りが特徴で、リラックスタイムにもおすすめのお茶といえるでしょう。
フレーバードティーとセンティッドティーの違いがひと目でわかるように表にしてみましたので、こちらでもご確認ください。
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フレーバード ティー |
センティッド ティー
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香りのつけ方 |
茶葉に香料などで香りづけする |
香りの元となる材料を茶葉に混ぜ込み、香り成分を移す |
香りの特徴 |
香料などにより、多種多様な香り・風味が楽しめる |
香りづけに使用する花や果実、果皮、スパイス類が持つそのものの香り・風味が楽しめる |
使用する茶葉 |
紅茶・緑茶・烏龍茶など種類は問わない |
紅茶・緑茶・烏龍茶など種類は問わない |
見た目の違い |
茶葉に花びらや果皮・果肉などが混ぜ込まれていることもある |
茶葉に花びらや果皮・果肉などが混ぜ込まれていることもある |
代表的なお茶 |
アールグレイ、アップルティー、キャラメルティーなど |
ジャスミン茶、桂花茶など |
※商品やメーカーによりさまざまなフレーバードティーやセンティッドティーがありますので、表の内容がすべてに当てはまるわけではありません。
こだわりのセンティッドティー、
nittoh.1909「Botanytea」
シリーズ
nittoh.1909で販売している「Botanytea(ボタニティー)」シリーズは、茶葉と、花や果実のみを使った香料不使用のセンティッドティーです。植物本来が持つ自然な香りを楽しんで欲しい、という思いから誕生したシリーズで、その中でもベルガモットに関しては、香り成分の減少を抑える特許技術の「フレッシュアロマ製法(特許出願中)」を採用。この製法により、従来の手法では難しかった「もぎたての新鮮な香りを茶葉に移す」ことに成功しました。
香りづけの素材や、素材を引き立てる国産の茶葉を厳選し、製法にもこだわったセンティッドティーをご紹介しますので、ぜひ味わってみてください。
「Botanytea(ボタニティー)」
シリーズ
アールグレイの香りづけとして使われるベルガモットの果皮(ピール)を使って茶葉に香りを定着させた商品です。ベルガモットは農薬や化学肥料に頼らずに育った広島県産ベルガモットを使用。ベルガモットの香りを引き立てるように、和紅茶をオリジナルでブレンドしました。
フレーバードティーのアールグレイと、センティッドティーの「Botanytea-国産ベルガモット-」。共にベルガモットを使用していますが、香りづけの方法の違いで味や香りにどのような違いがあるのか、ぜひ飲み比べてみてください。
センティッドティーもフレーバードティーも、暑い時期はアイスティーにしてもおいしいものが多いので、それぞれの違いを理解した上で好みの茶葉を選び、さまざまなシーンで味わってみてください。
※商品情報は掲載時点のものです。