和紅茶の個性が生み出す
多彩なペアリング
料理とドリンクの組み合わせは、香り成分に共通性があるほどおいしく感じられると言われています。
紅茶は産地やつくり方によって香りや味わいが大きく異なるため、紅茶の個性によって多様なペアリングを楽しむことができるのです。
和紅茶は爽やかな香りや華やかな香り、甘い香りなど香りが多彩ですから、ペアリングによっておいしく感じる食材や料理が多いといえます。また、紅茶の中でも渋みがやさしい和紅茶は、味わいの面でも繊細な風味を引き立ててくれます。
4つの効果で料理やスイーツの
おいしさをアップ
料理と紅茶のペアリングにおいて、ベースとなるのは主に4つの効果です。組み合わせることで「同調」「調和」「引き立てる」「洗い流す」といった効果が生まれ、料理をよりおいしく感じさせてくれます。
この効果は和紅茶だけでなく、紅茶全般に共通するものです。それでは4つの効果について、例を挙げながらわかりやすく解説していきましょう。
同調する効果
紅茶と食べ物に共通する香りが
同調することで香りのボリュームがアップし、
より贅沢な余韻を感じられます。
×
ex. アッサム × モンブラン
アッサムのコクのある甘い香りとモンブランの甘い栗と洋酒の香味が同調して、
より贅沢な香りを楽しめます。
調和する効果
紅茶と食べ物に共通する香りが
混ざり合うことで、
互いの味わいを補完して、
全体の風味が調和して、
心地よく感じられます。
×
ex. ダージリン × レアチーズケーキ
ダージリンのフルーティーな香りと、
レアチーズケーキの酸味と柑橘の香りが調和して新たな香味が楽しめます。
引き立てる効果
紅茶のほどよい渋みと香りが
食べ物の味や香りを引き立て、
より一層おいしく感じさせてくれます。
×
ex. ディンブラ × サンドイッチ
ディンブラのほどよい渋みとスタンダードな香りが、
ハム・タマゴ・ツナ・野菜など、サンドイッチのさまざまな具材のおいしさを引き立てます。
洗い流す効果
紅茶の爽快な香りと
渋み成分が脂肪分などの
食べ物の後味を洗い流し、
口の中をさっぱりさせてくれるため、
おいしく食べ進めることができます。
×
ex. ウバ × カレー
ウバのクールな香りと渋みが、
カレーのこってりした後味を洗い流して次のひと口の期待感へとつなげてくれます。
和紅茶のタイプ別、
相性のいい料理をご紹介
和紅茶は産地や生産者により個性が異なるため、香りのバリエーションがとても豊富です。
和紅茶は香りや味わいの強さにより主に4つのタイプに分けられ、それぞれに相性のいい料理や食べ物が異なります。
「 nittoh.1909 」で販売されている紅茶には、下図のような「香味チャート」を作成しており、これを見ればどのタイプに分類されるかが分かるようになっています。
例えば、「グリーン」の数値が高ければ「爽やかタイプ」、「フラワリー」の数値が高ければ「華やかタイプ」です。「フルーティー」と「スイート」も同様に、それぞれの数値が高ければ「フルーティータイプ」「スイートタイプ」となります。
製法によって香味が変わるので言い切ることはできませんが、「やぶきた」は「爽やかタイプ」に、「べにふうき」は「華やかタイプ」や「フルーティータイプ」に分類される傾向にあります。
タイプ別のおすすめ料理&スイーツは以下の通りですので、和紅茶から料理を考えるもよし、料理から和紅茶を選ぶもよし。おいしいペアリングをお楽しみください。
爽やかタイプ
柑橘が合う魚料理、サラダ
華やかタイプ
チョコレート、ドライフルーツなど素材の香りを楽しむもの
フルーティータイプ
完熟フルーツやパンナコッタ、チーズ、ヨーグルトなどミルク感のあるもの
スイートタイプ
そば、うどん、パン、ごはんなど主食となるもの
和紅茶のおいしい淹れ方を追求するのも楽しみのひとつ
和紅茶は生産者だけでなく、産地や形状、発酵の度合いによっても「おいしい淹れ方」は変わってくるので、一概に「こうだ」と言い切るのは難しい、というのが正直なところです。
そのため、ここでは「おいしい紅茶の淹れ方の基本」をご案内。この淹れ方をベースに、お手持ちの和紅茶はどのように淹れたら一番おいしいかと試行錯誤して、楽しんでいただけるとうれしく思います。実際に淹れてみないとわからないことが多いので、ぜひ楽しみながらおいしさを追求してみてください。
まずはお湯と道具を準備しましょう
汲みたての水を沸騰させ、熱湯を用意します。使用するポットやカップはお湯を注いでしっかり温めておきます。紅茶のおいしさとなるタンニンは80度以上でよく溶け出すので、冷たい器に熱湯を注いだ時に、お湯の温度が急に下がらないようにしましょう。
リーフティーのおいしい淹れ方
❶ポットに茶葉を入れる
温めたポットに、ティースプーン1杯(2.5〜3g)を1人分とし、人数分の茶葉をいれます。細かい茶葉は中山、大きい茶葉は大山にするのが1杯あたりの目安です。※こちらを基準に茶葉の分量はお好みで調節してください。
❷ポットにお湯を注ぐ
沸騰したてのお湯を杯数分(1杯あたり150〜160mlが目安)ポットに注ぎ、すぐにフタをして蒸らします。
❸蒸らす
蒸らす時間は、細かい茶葉は2分半〜3分、大きい茶葉は3〜4分が目安です。おいしい紅茶を淹れるには、温度が急に下がらないようにすることがポイント。蒸らしている間、ポットにカバーをかぶせたりマットを敷いたりするとさらに保温効果が上がります。
❹仕上げのひとまぜ
スプーンで葉を起こすように軽くひとまぜします。まぜすぎると余計な渋みが出ることがあるので、軽くまぜてください。
❺カップに注いでできあがり
茶こしでこしながら、濃さが均一になるように順番にカップに注ぎましょう。"ゴールデン・ドロップ"と呼ばれる最後の一滴までしっかり注いでください。
ティーバッグのおいしい淹れ方
❶カップに湯を注ぎ、ティーバッグを投入
温めたカップに1杯分の熱湯(150〜160ml程度)を注ぎます。お湯を注いだらティーバッグを静かにいれましょう。
❷蒸らす
ソーサーなどでカップに蓋をして蒸らします。蒸らし時間は商品によって異なります。パッケージの表記を確認しましょう。
❸できあがり
時間が来たら蓋を取り、ティーバッグを軽く数回振って静かに引き上げます。スプーンの背中でギュッと絞ると余計な渋みが出てしまうので注意しましょう。
リーフティーでもティーバッグでも、濃い目が好き、ミルクティーにして飲みたい、という方は蒸らす時間を長めにするのがおすすめです。
みなさんも、こちらを参考に自分の好みに合ったおいしい和紅茶を淹れてみてください。そして、相性のいい料理やスイーツを用意して、互いにおいしさがアップするペアリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
次回は生産者のインタビューを通して、更なる和紅茶の魅力をお伝えいたします。