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産地

世界の紅茶の産地を訪ねて
 – インド ダージリン地区 マリーボン茶園 –

2024.5.13

ダージリン、ウバ、アッサム、キーマン・・・。
世界中の様々な土地で作られ、世界中でその土地ならではの飲み方で愛され続けてきた、紅茶。

世界には、無数の種類の紅茶が存在します。
産地の名前がそのまま紅茶の銘柄になっているものがほとんどです。それぞれの産地で個性ある茶葉が生まれるため、どこで生産された茶葉かが重要な印であり、いつしかブランドとなったのでしょう。

nittoh.1909を運営する三井農林は、100年近く前から、紅茶生産に取り組んできました。
本コラムでは、そんな私たちが実際に世界中の紅茶の生産地に赴き、見て、聞いて、感じた紅茶の生産地ごとの空気感を、皆様に少しでもお伝えできればと思います。

今回ご紹介するのは、インドの、ダージリンという地域のマリーボンという茶園についてです。

ダージリンという地域について

世界一の紅茶生産量を誇ると同時に、世界一の消費国でもあるインド。

そんなインドにあるダージリンは、インド北東部、ヒマラヤ山麓の標高500〜2,000mに位置する産地です。
生産量は少ないものの、香味に優れ、紅茶の中では最も価格が高いことで知られています。また、シーズンにより味わいや香り等の特徴が大きく変化します。

ファーストフラッシュのクオリティーシーズンは3月中旬から4月までで発酵が浅く、緑茶のように青々とした外観と黄味かかった淡い水色が特徴です。さわやかな甘い香りとフレッシュな味わいを楽しむ新茶です。
セカンドフラッシュのクオリティーシーズンは5月から7月上旬までで、1年のうちで最も品質が充実し、芳醇な香りと甘さを感じさせるコク、好ましい渋みを併せ持ちます。水色は淡いオレンジ色をしており、良品にはマスカテルフレーバーと呼ばれる独特の果物香があります。

(出典:三井農林 TEA BREAK 商品カタログ)

マリーボン茶園について

マリーボン茶園の写真

Marybong Tea Estate(マリーボン茶園)はインド北東部、西ベンガル州ダージリン地方の北西部に位置しDarjeeling Townの手前、世界で3番目に標高の高い駅があるGhumの町から車で30分、古くから良質の紅茶が産出される場所として有名なゴールデンバレーにある。周囲にはRisheehat、Lingiaといった有名茶園が並ぶ。茶園の標高は900〜1,800m、工場は1,500mにあり、ダージリンでは比較的標高の高いところに位置している。茶園からはダージリンの町並みとヒマラヤの秀峰カンチェンジュンガが眼の前に広がり絵画的な素晴らしい風景を満喫できる。

マリーボン茶園の写真

茶園は1876年に当初Kyel Tea Estateという名称で創設された。その後、オーナーのCowley family一族のGuss Cowleyが隣のLingia茶園のオーナー、James Andrew Wernickeの娘Maryと結婚、Wernickeはこの結婚祝いとしてLingia茶園の一部をCowley familyが所有するKyel茶園に贈与し、その後KyelはMarybongという茶園名に変更された。Marybongとはシッキムの現地語Lepcha語で「マリーの土地」という意味である。1955年にはCowley familyからDuncan Brothersの手に移ったが、経営に行き詰まり2004年にLohia氏率いるChamongが買収、茶園の立て直しを図り品質を向上させ、経営を軌道にのせることに成功した。

マリーボン茶園の写真

製造法は他のダージリンと同様に、丁寧に手摘みされた生葉を強く萎凋させ、オーソドックス製法で形状を壊さないようにコーンのない揉捻機を使用し、良く撚れたリーフタイプの紅茶を生産している。茶樹の品種化は他のダージリン茶園同様に遅れており、90%が実生で10%が品種茶園となっている。品種はAV2という中国種の品種でシルバーチップを有し、上品でフルーティーな香味が特徴である。
茶園の認証は有機、Fair Trade、ETP、HACCP、Rainforest Allianceを取得している。

(出典:日本紅茶協会発行 紅茶会報 4月号 2015 No.408)

※「マリーボン茶園について」は、当社社員が上記出典に寄稿した「茶園を訪ねて」という記事を再編して掲載しております。