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これまでにない「ダージリン」を探す旅

現地茶園への、初のオーダーメイド

ゴールデンバレー(Golden Valley)と呼ばれる良質な茶葉を生産するエリアの一画に位置するタムソン(Tumsong)茶園は、ダージリンでもトップクラスの評価を受け、オークションで高値が付く茶園のひとつだ。茶園の名前の由来になったヒンドゥー教の女神を祀るタムサ・デヴィ(Tamsa Devi)寺院など、寺院や神社の近くに茶樹が広がる。

タムソン茶園がダージリンの中でも特に品質が良いといわれている理由は、土壌が良く標高が高いこと。茶園全体がヒマラヤ山脈に面しており、常に冷たい風が谷を通って茶園に届くので、冷涼な気候から茶樹がゆっくり育ち、香りや味の成分が凝縮されるという。

関口:ゴールデンバレーでは3つの茶園を訪れましたが、3か所とも品質がよく、典型的なダージリンの特徴が感じられました。中でもタムソン茶園は伝統ある優秀な茶園で、これまでも信頼を置いて取り引きしてきましたが、さすがに期待を裏切らない、香り高い高品質なダージリンでした。そこで、秋摘み茶の中でベストと呼べる品質のものを、オーダーメイドで、タムソン茶園と共同取り組みすることにいたしました。

高橋:普段当社で扱っているダージリンは、品種や製茶方法は限定せずに買うことが多いのですが、茶園の中でも特別なひとつの品種を選んで、この場所にいつ植えて、いつ収穫で、とお願いして作ってもらうのは、今までにはない取り組みでした。

タムソン茶園の中でも標高が高い、タムサ・デヴィ寺院ほど近くの特定エリアで収穫された、高品質なAV2クローナル(clonal)の秋摘み茶。イメージ通りの紅茶になりました。

関口:これまで私たちが買ってきた商品とは異なるものを作っていこうということで、特別にオーダーメイド方式で作ることになりました。その方法だとどうしても値段が上がってしまうのですが(笑)ただ、産地との強い繋がりを活かして、おもしろいことができたと思っています。今後同様の展開を、他の産地でもおこなえるかもしれません。

高橋:私たちはメーカーですが、茶園のコミュニティに入っていける関係性を持っているので、今回のようなリクエストができます。そういった意味では、ただ輸入してありものを買ってきました、というのとは全く違うものができたと思っています。

今回製品になったタムソンAV2オータムナル限定品は、夜のリラックスタイムを意識した、香り重視の一品です。口に含んだときには優しくて香りが広がるけれども、後口はすっきりしている。食事と合わせて一緒に飲むというよりは、お茶だけをのんびり楽しんでもらうのが合う製品かと思います。リラックスタイムにぴったりのお茶ができました。

関口:茶園を巡る中で、ダージリンの紅茶にはストーリーや風景のみえるものが多くあることを知りました。今回商品化した3つの製品以外でも、現地で、「ここはかつて何々家が非常に苦労をして開拓した土地で」というような歴史や物語を数多く見聞きしました。雄大な風景や背景にある物語、また、それぞれの茶園の自然環境や安全性向上への取り組みなどを知ることで、より深く味わえるものになるかもしれません。

高橋:チャモン(Chamong)グループの茶園も、石炭を使用しない事で燃料の消費を減らし、有害物質やCO2を削減するなど、自然環境への配慮にも努めています。また、生産工程全体を通じて、HACCPとJASに基づいた厳格な品質管理をおこない、食品の安全性向上へ取り組んでいます。

関口:茶園で働く方々の労働環境への配慮も重要な取り組みです。インドの茶園は、現地社会でコミュニティを形成し、従業員は茶園に居住し、配給や賃金などを受け取り生活しているところがほとんどです。

関口:ところが、1900年代後半のダージリンでは、経営困難に陥り、打ち捨てられる茶園が数多くありました。茶園の投棄は、すなわち茶園で働く人々が生活困窮者になってしまうということです。

次にご紹介するシュリー・ドワリカ(Shree Dwarika)もチャモン(Chamong)グループの茶園ですが、ここはかつて放棄茶園と呼ばれる、誰も管理する人のいなくなってしまった茶園でした。

経営困難に陥った茶園は中央政府系の会社に管理のために引き渡されます。ところが、この会社の経営が上手くいっていなかったためにこの茶園もやがて放棄され、茶園労働者の配給や賃金を支払う事が出来なくなってしまいました。

閉鎖されたという公式発表こそありませんでしたが、1995年にはこの場所は見捨てられ、さらに製茶工場やインフラ資産は略奪され、破壊されました。

チャモングループは荒れ果てたこの茶園を買収し、2006年1月、約10年間閉ざされていた門を再び開くことになります。インドで放棄茶園を甦らせるということは、雇用をもたらし、人々の生活を支えていく、地域社会を甦らせるということです。相当な情熱と覚悟が必要だったと思います。

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