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トップ>コラム一覧> カルチャー:紅茶とペアリング【後編】

カルチャー

紅茶とペアリング

紅茶と食べ物のペアリングルール

前編ではペアリングがどういうものか、身近なペアリング例を。中編ではキャラクターホイールについてご覧いただきました。後編では、ペアリングのルールとおすすめの紅茶の種類例などをお届けします。

監修:三井農林株式会社 R&Dグループ
大野敦子

シンクロ — 同調する効果

紅茶と食べ物との相性評価をするなかで、ペアリングルールは大きく4つあることがわかってきました。

ひとつは前編でもご紹介した「似た香り」。香り成分に似たところがあると、よりおいしく感じられる「同調する効果」です。紅茶と食べ物それぞれが持つ共通した香りが相乗効果を生み出し、贅沢な余韻として感じられます。

例えばアッサムティーはスイートポテト、レーズン、黒砂糖の香りが感じられる紅茶なので、もちろんスイートポテトとのペアリングは相性抜群。同調することで香りがボリュームアップして感じられます。

同調する効果の図
同調する効果の図

ハーモニー — 調和する効果

同調の似た香りは想像しやすいかと思いますが、実は異なる香りの紅茶と食べ物が調和すると、香味の相乗効果で、新しい香味が生まれます。

例えば、ダージリンティーとクリームチーズをペアリングすると、レアチーズケーキのような風味を感じます。クリームチーズにダージリンティーのフルーティーな香りが調和して、そのように感じられるのでしょう。

同じダージリンティーでも、茶園や収穫時期、製法の違いで香味が異なるのですが、桃やはちみつなどの甘い香りを特徴とするものでは、同じくクリームチーズと合わせた時に、マンゴーのように感じることもあります。

調和する効果の図
調和する効果の図

「調和」をみつけるのはちょっと難しいのですが、気付いた時の喜びはひとしお。ぜひ新しい味を発見してください。

リセット — 洗い流す効果

バターたっぷりの焼き菓子やカレーなど脂肪分が多い食べ物も、紅茶と一緒なら爽快な香りと渋み成分が食べ物のあと残りを洗い流し、口の中をさっぱりさせてくれるため、おいしく食べ進められます。

洗い流す効果を期待するのであれば、渋めの紅茶がおすすめ。ウバティーは渋みの成分が他の紅茶の1.5倍から2倍もあるので、こってりしたものによく合います。

サポート — 引き立てる効果

香りの強い飲み物は、繊細な香りの食べ物の特徴を消してしまうことがあります。紅茶は控えめな香りのものが多く、食べ物の風味を損なうことなく引き立て、口の中を潤してくれます。紅茶のほとんどは、食べ物の味や香りを引き立てる効果を持ちつつ、同調したり調和する効果を持ち合わせています。

特にディンブラティーは中間的で、スタンダードといえる味わい。ブレンドされている紅茶も中間的な香味のものが多いので、引き立てる効果が期待できます。さまざまな食べ物のおいしさをサポートする紅茶、ぜひ日常の食事と合わせてみてください。

個性的な紅茶もある

同調する効果の図

ケーキに紅茶であればなんでも相性がいいかと思いきや、実はそんなことはありません。

紅茶の専門家が集まりペアリングの評価データを取った際、フルーツタルトやアップルパイと、「引き立てる効果」でおすすめしたディンブラティーは、全員一致で合うと評価。ところが、世界三大紅茶のひとつ、キーマンティーとの組み合わせは、なんと全員が合わないと評価しました。

ロースト感が強く、スモーキーな味わいが人気のキーマンティーは、フルーツやケーキよりも、香りが同調する燻製や、みたらしだんご、おせんべいとの相性が抜群です。また、プロセスチーズとのペアリングなら、スモークチーズの風味が楽しめます。

みなさんもぜひ、色々な組み合わせにチャレンジしてみてくださいね。