紅茶とカレーはスパイスが命
1.紅茶はカレーの後に 2.屋台でチャイを一杯注文
インドでは、一般的に紅茶は食後に頂くもの。スパイシーなカレーの後に紅茶を味わう。日本ではあまり馴染みがないかもしれない。
それは、我々が「紅茶」と聞くとダージリンのような香り高いものを想像するからだ。現地ではそうした高級茶は主に輸出用としてあり、日常的に飲むのはどちらかというとチャイに近いイメージ。
鍋で煮出して、ミルクやスパイスを入れて飲む。路上にはチャイの屋台もよく店を出していて、湯呑一杯から売ってくれる。散歩中に立ち寄るのが、朝の楽しみでもある。
ニルギリは、年間を通して快適な気候で過ごしやすい。夏でも最高気温は25℃程度、冬も氷点下になることはない。さすが人気の避暑地だ。山上の茶園でホットティーを頂き目を瞑ると、まぶたの裏に浮かぶのはヨーロッパの青い景色。秋の早朝、ひんやりとしたベランダで一人静かに紅茶を飲んだ記憶が、ふと蘇った。
こうした気候は、スリランカのハイグロウン(高地産)と似ている。お茶を育てるのはその土地の気候だ。ニルギリの紅茶は香り立ちが良いハイグロウンタイプ。対して北のアッサムは湿地帯で年間雨量は2,000〜3,000mm、気温も真夏は35〜38℃。湿度慣れした日本人でも音を上げるほど蒸し暑い。
やや標高が低いアナマレーは、同じ南インドでもまた味わいが異なり、アッサムほどではないがコクがあって、香りとのバランスがよく飲みやすい。国内では、日本人好みの風味を持つニルギリがどうしても目立つが、産地に足を運ぶとこんな新たな発見がある。
「地理的に近い産地の茶葉同士は、ブレンドした時に味がまとまりやすい」。弊社ティーテイスターの言葉だ。世界中を旅して各地の紅茶を手に入れたら、世界地図を眺めながら飲み比べてみるのも一興かもしれない。
さて、次の目的地。やはりダージリンか。噂に聞くハワイも惹かれる。一体どんなふうに作られ飲まれているのだろう。興味は尽きない。